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クリーン開発メカニズム(CDM)

CDMの国連登録やクレジット発行に関するQ&A

環境省 地球環境局市場メカニズム室

Q1:国連へのCDMプロジェクトの登録状況について教えてください。

国連にCDMプロジェクトが初めて登録されたのは2004年11月です。それ以降、2009年7月末までに合計1,751件のCDMプロジェクトが登録されています。2004年、2005年の登録件数は、それぞれ1件、62件でしたが、2006年、2007年、2008年は、それぞれ408件、426件、431件となっており、最近の数年間で大幅に増加しました。さらに、2009年は、約半年が経過した時点で422件が登録されており、今年だけでも登録件数が大幅に増えていることがわかります。

CDMについて、2012年までに発行されるクレジット(CER)の予測量は、2009年7月末時点ではプロジェクト設計書(PDD)に記載された推定削減量をベースに計算すると、約16億9千万t-CO2に達します。

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図.登録プロジェクト数及び発行予定CER量の伸び(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

登録されているプロジェクトについて、最も登録件数が多いホスト国は中国であり、600件(33%)が登録されています。その次に多いのがインド、ブラジル、メキシコで、それぞれ449件(26%)、160件(9%)、117件(7%)です。これらの4カ国の登録件数は1,326件で、全登録件数1,751件の約76%に相当します。この結果から、CDMのホスト国にはかなりの偏りがあることがわかります。特にアフリカ諸国等におけるCDMプロジェクトの数が少ない状況です。

プロジェクトタイプ別の登録件数でみると、最も件数が多いプロジェクトタイプは「水力発電」で、455件(26%)となっております。これには、貯水式や流れ込み式の水力発電が含まれます。次いで風力発電が248件(14.2%)、バガスや籾殻、EFB(Empty Fruit Bunch)などのバイオマスを発電やコージェネレーション等に利用する「バイオマス利用」が241件(13.8%)、家畜糞尿や廃水からのメタン回収利用を含む「バイオガス」が232件(13.2%)となっており、再生可能エネルギー関連のプロジェクトが1,176件(67%)と6割以上を占めています。

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図.登録済みプロジェクトのホスト国別及びタイプ別の件数(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

登録プロジェクトの詳細については、IGES作成の「CDMプロジェクトデータベース」をご覧ください。
IGESのHPよりダウンロード可能です。

Q2:登録されたCDMプロジェクトからのCER発行状況を教えて下さい。

2009年7月末時点で、登録されたプロジェクトの約29%に相当する511件のプロジェクトから、延べ発行回数で1,101回、CERが発行(注1)されています。発行されたCER総量は約2億9,000万t-CO2です。上述した2012年までの推定削減量(約16億9,000万t-CO2)の17%弱に当たる量が発行されています。

発行されているCERの量が最も多い国は中国で、全体の約45%である1億3,000万t-CO2が発行されています。次いで、インドの6,600万t- CO2(23%)、韓国の3,800万t-CO2(13%)、ブラジルの3,000万t-CO2(10%)となっており、この4カ国でCER発行量全体の 91%を占めています。

プロジェクトタイプ別の発行量でみると、最も発行量が多いプロジェクトタイプは「HFC削減」で、全体の約56%の約1億6,000万t-CO2が発行されています。次いで、N2O削減が約6,000万t-CO2(20%)となっており、この2つで全体の7割以上を占めています。一方で、再生可能エネルギー関連プロジェクト向けに発行されたCERは、約4,000万t-CO2(14%)にとどまっています。

(注1)複数回CERが発行されているプロジェクトも存在するため、CER発行済みプロジェクトの件数と異なる

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図.発行済みCERのホスト国別及びタイプ別の割合(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

ただし、様々な理由により、事前に推定したとおりのCER量が発行されているわけではなく、実際には、2008年までに発行される予定であったCERの約60%程度しか発行されていません。

事前の推定削減量に対する実際のCER発行量の割合(以下、発行率)は、プロジェクトごとに様々ですが、平均すると81%程度になります。プロジェクトタイプ別に見ると、発行率が30%にも満たないものもあります。想定される原因としては、削減量推定の精度の問題や、プロジェクトが計画通りに実施されていないことが考えられます。

CER発行率が低い案件で多いのは、廃棄物処分場や家畜糞尿から発生する「メタン回収・利用」です。この種のプロジェクトでは、CER発行量は、実際に回収されたメタン量をベースに決定されますが、事前の推定削減量は、予測モデルを用いて計算したメタン発生量をベースに計算されます。現実とモデルとの違い等が原因で、CER発行率が低くなっていると考えられています。

プロジェクトの種類 発行率
HFC削減 108.5%
N2O削減 100.6%
メタン回避 97.2%
水力発電 95.5%
省エネ 93.0%
バイオマス利用 90.1%
燃料転換 85.5%
廃ガス・廃熱利用 83.7%
風力発電 81.8%
セメント 55.8%
交通 55.7%
バイオガス 52.2%
メタン回収・利用 39.1%
その他再生可能エネルギー 27.8%
総計 81.1%

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図表.プロジェクトタイプ別の発行率(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

CER発行率の低下は、事業者側から見ればプロジェクトの収益性の悪化につながります。また、CERの買い手側から見れば、予定していた量のCERを購入できないことにつながります。したがって、削減量の事前推定の精度向上や、プロジェクト活動・モニタリング活動の着実な実施等によって、CERが計画通り確実に発行されるよう、努力することが重要になります。

CERの発行状況の詳細については、IGES作成の「CDMプロジェクトデータベース」をご覧ください。
IGESのHPよりダウンロード可能です。

Q3:国連への登録申請でレビュー要請を受けるプロジェクトが多いと聞きますが、どのような状況なのでしょうか?

2009年7月末時点までにレビュー要請を受けたプロジェクトの件数は984件です。これに対し、2009年7月末時点の登録申請件数は2,022件(登録済み:1,751件、登録却下116件、取下げ31件、レビュー要請20件、修正要請69件、レビュー中35件)となっており、レビューを要請される確率(=レビュー要請件数/登録申請件数)と定義)は約49%と計算されます。また、最近(第37回CDM理事会(EB37)以降)のレビュー要請件数の動向をみると、時期により変動は見られるものの、平均43件前後となっており、レビュー要請件数が登録件数の増加に比例して顕著に増える、レビュー要請を受けるプロジェクトタイプが特定のものに集中しているなどの傾向は見られません。

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図.レビュー要請を受けたプロジェクトの国別、タイプ別動向:EB37以降(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

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図.レビュー要請を受けたプロジェクトの推移(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

提出されるプロジェクトの質の変化等、様々な状況変化があるので、国連による審査が厳しくなったと一概に言うことはできませんが、いずれにしても、国連への登録申請を行う事業者は、十分に注意して申請を行うことが重要です。

Q4: 最近、国連への登録申請で却下されるプロジェクトが多いと聞きますが、どのような状況なのでしょうか?

2009年7月末時点で、登録申請を却下されたプロジェクトは計116件あります。登録件数は計1,751件なので、これまでの実績を平均すると、登録申請が却下される確率(=却下案件数/(登録案件数+却下案件数)と定義)は約6.2%と計算されます。また、最近(EB37以降)の登録却下件数の動向をみると、時期により変動は見られるものの、平均5件前後となっており、登録却下の件数が登録案件の増加に比例して顕著に増える、却下されるプロジェクトタイプが特定のものに集中しているなどの傾向は見られません。

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図.登録却下プロジェクトの国別、タイプ別動向(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

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図.登録却下プロジェクトの推移(2009年7月末時点)
(出典)CDMプロジェクトデータベース(IGES)より作成

提出されるプロジェクトの質の変化等、様々な状況変化があるので、国連による審査が厳しくなったと一概に言うことはできませんが、いずれにしても、国連への登録申請を行う事業者は、十分に注意して申請を行うことが重要です。

却下されたプロジェクトの詳細については、IGES作成の「CDM再審査・却下プロジェクトデータベース」をご覧ください。
IGESのHPよりダウンロード可能です。

Q5:国連への登録申請が却下された場合、プロジェクト実施者はどのような不利益を被るのでしょうか?却下されないためには、具体的にどのような点に注意すればよいでしょうか?

登録申請が却下された場合、それまでに支払った有効化審査や国連登録申請の費用が無駄になってしまいます(ただし、国連登録申請費用でUS$30,000を超える分は払い戻されます。)。

却下されたプロジェクトは、適切な見直しを行った上で、再度、有効化審査及び登録の手続きを行えば国連に登録される可能性がありますが、それにはまた相当の時間、労力、費用を要します。見直しを行っている途中に適用方法論が修正されたり、廃止されたりした場合は、PDDを大幅に改訂する必要が出てくるかもしれません。国連登録後でなければ、CER発行ができないため、2012年までに得られるCER量も減ってしまう可能性があります。

却下されないようにするためには、これまで却下されたプロジェクトの却下理由を確認し、同じ失敗を繰り返さないようにすることが第一と考えられます。却下理由で最も多いのは、追加性に関する理由とベースライン・モニタリング方法論の適用方法に関する理由ですので、この点には細心の注意を払う必要があります(理由の詳細については、次のQ5-1、Q5-2、Q5-3をご確認下さい。)。

また、国連の審査は、「DOEが有効化審査をきちんと行ったかどうか」という点を審査するので、信頼できるDOEに有効化審査をお願いすることにより、却下されるリスクを低くすることができると考えられます。さらに、EB44(2008年11月26日~28日)では、「CDM有効化審査・検証マニュアル」(VVM:Validation and Verification Manual)が採択されました。このマニュアル整備の目的は、DOEの行う有効化審査及び検証レポートの準備に当たっての質と一貫性の向上となっていますが、プロジェクトを実施しようとする事業者の方も、事業実施に際してはこのマニュアルを参考としてご確認いただくことを、お奨めいたします。

Q5-1:追加性に関する却下理由には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

追加性に関する却下理由は、大きく次の3つに分けられます。

  • 投資分析(注1)の不備

    追加性を証明するために、プロジェクトの投資分析を行って、「CER収入がなければ当該プロジェクトは経済的に実施可能ではない。」という説明を行う場合がありますが、この分析の不備が指摘されて却下される場合があります。具体的には以下のような理由で却下されています。

    • 投資分析において、プロジェクトに関連する費用と便益が十分に考慮されていない(例:プロジェクトの結果、発電出力が上がることが想定されるが、この便益が投資分析に含まれていない等)。
    • 投資分析に用いられている前提条件の妥当性が証明されていない(例:毎年15%のコスト上昇を見込んで投資分析が行われているが、その仮定の妥当性が立証されていない等)
    • ベンチマークの妥当性が証明されていない(例:なぜ発電事業者が実施するプロジェクトのハードルレートとして、ヤシ油産業の必要収益率が使われているのか、その妥当性が十分立証されていない等)。

    EB39(2008年5月14日~16日)では、「投資分析に関するガイダンス」(Guidance on the assessment of investment analysis)が採択され、投資分析の実施方法が整理されました。今後、投資分析を用いて追加性を証明しようとする事業者の方は、このガイダンスに従って、投資分析を実施する必要があります。

    (注1)投資分析
    当該プロジェクトからは十分な収益が得られないことを説明することにより、追加性を証明する方法。他の投資オプションと比較したり、自社のハードルレート等のベンチマークと比較したりすることにより、当該プロジェクトからは十分な収益が得られないことを説明する。

  • バリア分析(注2)の不備

    追加性を証明するために、プロジェクトが実施困難である理由(障壁=バリア)を挙げる場合がありますが、このバリアの存在を十分に立証することができずに、却下されてしまう場合があります。

    例えば、混合セメントの混合材(フライアッシュ等)の配合比率を上昇させて、クリンカーの生産量を削減するプロジェクトでは、技術バリア(技術的に配合比率を上げるのは難しい)や市場参入バリア(配合比率を高めた混合セメントは市場に受け入れられない)などがバリアとして挙げられていましたが、プロジェクト参加者及びDOEが当該バリアの存在を証明できなかったために、数多くのプロジェクトが却下されています。

    なお、「CDMとして実施できなければ、当該バリアは克服できない(CDMとして実施できれば克服できる)」という説明を行うことになりますので、指摘するバリアは、CDMプロジェクトとして実施することによって緩和できるようなバリアであるのが望ましいと考えられます。

    (注2)バリア分析
    当該プロジェクトを実施する上でのバリア(障壁)を説明することにより、CDMがなかった場合には当該プロジェクトが実施されないこと(追加性)を証明する方法。投資障壁(例:資金調達が困難)、技術障壁(例:初めて採用する技術でリスクが高い)等がある。

  • 意思決定でCDMが考慮されたことを示す証拠の不備

    有効化審査を開始する前にプロジェクト活動が開始されていた場合、追加性を証明するためには、「プロジェクト実施の意思決定において、CDMが真剣に考慮された。」ということを示す証拠文書が必要になります。この文書の不備を指摘されて、登録申請が却下されるというケースがありますので、プロジェクト活動が有効化審査前に開始されているプロジェクトは、要注意です。

Q5-2: ベースライン・モニタリング方法論の適用方法に関する却下理由には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

ベースライン・モニタリング方法論の適用方法に関する却下理由は、大きく次の2つに分けられます。

  • 方法論の適用条件を満たさない

    各方法論には、当該方法論を使うことができるプロジェクトが満たすべき条件を示した「適用条件(Applicability)」が明記されています。方法論の適用条件を満たさないプロジェクトが、当該方法論を使用した場合は却下されます。

    例えば、承認済み方法論AM0036には、「プロジェクトからの年間発電量が過去の年間最大発電量の10%以下である。」という適用条件が含まれていますが、この条件に合わない(プロジェクトの結果、年間発電量が10%以上増加してしまう。)として、却下されたプロジェクトがあります。

  • 方法論から逸脱している

    各方法論に定められた削減量の計算方法やモニタリング方法に従っていないという理由で却下されたケースがあります。例えば、「エネルギー利用の計測が方法論に従っていない。」「パラメーターを決定するために採用された方法は方法論からの逸脱であり、理事会に対して事前に逸脱要請(注3)を行うことが必要であった。」等の理由が指摘されています。

    (注3)逸脱要請
    プロジェクトの内容が承認方法論の規定内容から逸脱している場合に、登録申請前に、EBにそれを通知し、どのように対処するのかを説明する手続き。

プロジェクト参加者は、方法論の適用に不明確・不明瞭な点がある場合、DOEを通して、当該方法論に関する追加説明を国連に求めることができます。方法論の適用条件を満たしているかどうか、もしくは、方法論から逸脱していないかどうかが不明な場合は、登録申請を行う前に、この手続きを行って、国連から事前確認をとることが望ましいと考えられます。

Q5-3:追加性とベースライン・モニタリング方法論の適用方法以外の却下理由には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

その他の理由としては、次のようなものがあります。

  • プロジェクト開始日が2000年1月1日以前である。
  • バンドリング(注4)されたプロジェクトが小規模CDMプロジェクトの定義を超えている。
  • 登録申請とともにアップロードされたPDDと有効化審査報告書が、ホスト国のDNAによって承認されたものと大きく異なる。
  • ホスト国のDNAからの承認レターが当該プロジェクトに有効でない。
  • (注4)バンドリング
    複数の小規模プロジェクトを束ねて(バンドルして)、一つのCDMプロジェクトとして扱うこと。

却下されたプロジェクトの詳細(却下理由含む)については、IGES作成の「CDM再審査・却下プロジェクトデータベース」をご覧ください。
IGESのHPよりダウンロード可能です。

Q6:CERの発行申請に関しても、国連に却下されることがあるのでしょうか?

2009年7月末時点では、CER発行申請を却下されたのは10回に留まります。全CER発行回数が1,101回なので、現時点では、CER発行申請が却下される確率は非常に低いのが現状です。

なお、発行申請が却下されたとしても、却下理由を踏まえて、モニタリング報告書や検証報告書を適切に修正すれば、同一のモニタリング期間に対するCERが発行される可能性はあります。実際、過去に発行申請が却下されたもののうち、2回のケースでは、再申請の結果、無事にCERが発行されています。

Q7:発行申請が却下された場合、プロジェクト実施者はどのような不利益を被るのでしょうか?具体的にどのような点に注意すればよいでしょうか?

CER発行申請が却下された場合の不利益の一つとして、CER発行の遅れがあります。プロジェクト実施主体の立場で見ると、CER発行の遅れは、CERのデリバリーの遅れにつながり、契約違反になってしまう場合が出てくるかもしれません。また、再申請の際に検証報告書の修正等が必要な場合、DOEとの契約次第では、検証・認証費用が追加で必要になる可能性もあります。

再申請を行って再び却下された場合は、3度目の提出はできません。その場合、当該期間のCERは諦めざるを得ません。

過去に却下された3回のケースでは、逸脱要請を行うことなく、DOEがリーケージに関するモニタリング方法論の修正を認めたことが却下理由の一つとなっています。したがって、方法論と異なるモニタリング活動を行う場合は、事前に逸脱要請を行うことが重要です。また、モニタリング計画が方法論に沿っていないという理由で却下されている例もあり、適用方法論に基づいて、モニタリング計画を作成することが重要になります。

また、発行申請に対するレビュー要請理由には、下記のような指摘が多く見られます。

  • 方法論やモニタリング計画で計測が要求されているデータが計測されていない(例:天然ガス消費量の計測がモニタリング計画及び承認方法論に沿っていない。モニタリング計画に沿った測定機器のキャリブレーション(注5)が実施されていない等)。
  • PDDに記載したプロジェクト実施計画と実際に実施されたプロジェクトに違いがある(例:新たに粉砕設備が追加されているが、これはプロジェクト設計書の内容に従ったものなのかどうか等)
  • DOEに不備/不明点がある(例:DOEは、逸脱要請の手続きを行わずに、承認済みモニタリング方法論とは異なるリーケージの推計方法を認めた。DOEは、バイオマスとの混焼に化石燃料が用いられていないことを確認し、検証報告書の中で明確に説明すべき等)。
  • (注5)キャリブレーション
    機器校正。計測器の読みのずれを把握し、修正する作業のこと。

したがって、方法論やPDDに記載されているモニタリング計画に忠実に従って、モニタリング活動を実施することが重要です。一方で、PDD作成段階から、将来のモニタリング活動を見据えて、実行可能なモニタリング計画を立てておくという視点も重要であると考えられます。

国連は、「DOEが検証・認証をきちんと行ったか」という点を審査することになります。したがって、有効化審査の場合と同様に、信頼できるDOEに審査をお願いすることにより、却下されるリスクを低くすることができると考えられます。

Q8:プロジェクトの国連への登録やCER発行までに必要となる期間は、どの位と想定しておく必要がありますか?

プロジェクトの国連への登録に必要となる期間としては、バリデーションや登録申請、審査など登録に必要となる期間と、実際にプロジェクトが実施されCERの発行申請、審査、発行などに必要となる期間を考慮しておく必要があります。これまでに登録、CER発行がされた事例を基に平均日数を計算すると、バリデーションや登録作業に約1.2年近く、登録されてCERが発行されるまでに約1.1年近く、合計して約2.3年近くかかっていることになります。したがって、CDMプロジェクトの実施検討に当たっては、このような必要期間にも留意して検討を行うことが重要です。

表.プロジェクト登録に必要となる期間(2009年7月末時点)
CDM案件が各段階までかかる平均日数
バリデーション (start comment until request registration) 294 9.8 0.8
登録 (request registration to registration) 133 4.4 0.4
登録されて初めてCERが発行されるまでかかる平均期間 386 12.9 1.1
コメント開始から初めてCERが発行されるまでかかる期間 813 27.1 2.3

(出典:UNEP CDM pipeline)

[本Q&Aに関する問い合わせ先]

環境省 地球環境局市場メカニズム室
TEL: 03-3581-3351(内線.6781)