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国連気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)及び
京都議定書第4回締約国会議(CMP4)サイドイベント
市場メカニズムの行方:気候変動緩和策におけるコベネフィット
の実現とアジアの経験に基づくCDM改革の提案
Where Do Market Mechanisms Go from Here?:
Demonstrating the co-benefits of climate change mitigation and proposal for CDM reform based on experience in Asia

2008年12月15日

海外環境協力センター(OECC)は、環境省および財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)との共催で、2008年12月6日に国連気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)および京都議定書締約国会議(CMP4)のサイドイベントとして、「市場メカニズムの行方:気候変動緩和策におけるコベネフィットの実現とアジアの経験に基づくCDM改革の提案(Where Do Market Mechanisms Go from Here?: Demonstrating the co-benefits of climate change mitigation and proposal for CDM reform based on experience in Asia)」を開催した。本サイドイベントには、合計で100名程度が参加し、活発な議論が行われた。

セッション1では、気候変動対策と開発便益を伴うコベネフィット・アプローチに関する環境省の活動報告等が行われた。日本政府の支援の下で実施しているコベネフィットの具現化を目指した活動について、気候変動分野に関連する開発ニーズの特定やGHGに寄与するプロジェクト等の活動の開発便益の評価指標策定、分野別のプロジェクト例を紹介するグッドプラクティス・マトリックス等を紹介した。また、インドネシアおよびベトナムの政府担当者から両国における水質改善をはじめとする環境汚染対策と気候変動緩和策を実現する具体的なコベネフィット型プロジェクト候補の調査活動内容やコベネフィット・アプローチを促進するための今後の課題等が発表された。環境省と国際協力機構(JICA)からは、コベネフィット・アプローチに関する取り組みの紹介や日本とアジア諸国間の具体的な活動成果の発表が行われた。実際のコベネフィット・アプローチに基づく活動の経験や今後の課題が共有され、改めてコベネフィットの重要性が認識されるとともに、今後の活動進捗について参加者から多くの関心が寄せられた。

セッション2では、アジア各国を対象に実施してきたIGESのCDMに関する途上国等人材育成支援事業についての経験が紹介された。また、インドネシア、フィリピン、カンボジアにおいてCDMを推進する上で現在直面している障害について報告したうえで、特定の再生可能エネルギーのCDMプロジェクトについては追加性テストを免除する提案をはじめ、今後のCDM改革に向けた具体的な提案が行われた。


開催日時

2008年12月6日(土)午後13時~15時

開催場所

ポズナン国際会議場White-tailed Eagle

発表者

【座長】

  • 平石尹彦氏(IGES)

【発表者】

  • Upik S. Aslia氏 (インドネシア環境省)
  • Nguyen Hieu氏 (ベトナム天然資源環境省)
  • 川西 正人氏 (JICA) 川又孝太郎氏(日本環境省)
  • 加藤 真 (OECC)

プログラム

開会の挨拶(森谷賢氏/環境省)

セッション1:気候変動緩和対策のコベネフィットの実現
       座長:平石尹彦氏(IGES)

  • 環境省コベネフィット型対策の形成推進事業の成果(加藤 真/OECC)
  • ラウンドテーブル:気候変動緩和対策のコベネフィットの実現
    • Upik S. Aslia氏(インドネシア環境省)
    • Nguyen Khac Hieu氏(ベトナム天然資源環境省)
    • 川西正人氏(独立行政法人国際協力機構)
    • 川又孝太郎氏(環境省)
  • 質疑応答

セッション2:CDM改革の提案
       座長:西岡秀三氏(IGES)

  • IGESのCDMキャパシティビルティング活動におけるCDM改革の議論 (小圷一久氏/IGES)
  • ホスト国政府からのCDM改革の提案
    • Joyceline Goco氏(フィリピン)
    • Haneda Sri Mulyanto氏(インドネシア)
    • Sum Thy氏(カンボジア)
  • 更なる排出削減を目指したCDM改革の提案 (水野勇史氏/IGES)
  • 質疑応答

閉会の挨拶(浜中裕徳氏/IGES)


会議画像

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議論のポイント

  • 環境省コベネフィット型対策の形成推進事業の成果
    加藤 真 / OECC 発表資料(PDF)
    環境汚染対策分野におけるコベネフィット型温暖化対策・CDMとは、途上国の開発ニーズの一つとしての環境改善(汚染物質の削減)と温室効果ガス(GHG)の削減とが同時に実現される対策・プロジェクトを指す。現在の環境省のコベネフィット・アプローチに係る取組みとして、気候変動対策分野に関連する開発ニーズを特定し、GHG削減プロジェクトにおける開発便益(特に環境汚染対策)の評価を行っている。本調査では、環境汚染対策分野別のコベネフィットをもたらすプロジェクト例を紹介するグッドプラクティス・マトリックス等を開発しており、今後は継続して途上国関係者への普及啓発やコベネフィット・アプローチによるモデルプロジェクトの形成・実施を目指して検討を進める。
  • インドネシアにおけるコベネフィット協力
    Upik S. Aslia氏 / インドネシア 発表資料(PDF)
    コベネフィット・アプローチはGHGの削減と共に大気、水質、廃棄物分野の環境汚染を改善するが、CDMプロジェクトの形成・実施の促進においてもポテンシャルが高い手法である。2007年12月の日本環境省とインドネシア環境省間のコベネフィット協力に係る意向書に基づいて、インドネシアにおけるコベネフィット型対策の形成・実施に向けた協力を進めているところである。現在は、対象都市として、南スマトラのパレンバン市および南カリマンタンのバンジャルマシン市における具体的なコベネフィット型プロジェクトの形成にむけた調査を進めている。バンジャルマシン市の最終廃棄物処分場又は下水処理におけるプロジェクトおよびパレンバン市の石油精製所におけるプロジェクト等について、2009年以降に形成・実施するコベネフィット型モデルプロジェクト候補として、関連データの収集等のための現地調査及び両国の専門家による会合を実施している。
  • ベトナムにおけるコベネフィット協力
    Nguyen Khac Hieu氏 / ベトナム 発表資料(PDF)
    気候変動便益と開発便益を伴うコベネフィット・アプローチは重要であり、日本政府の協力の下コベネフィット型CDMプロジェクトの促進のための活動を行っている。特に政府開発援助(ODA)を活用したコベネフィット型CDMプロジェクトの促進に着目している。ベトナムDNAは、2008年11月現在で、78件のCDMプロジェクトに政府承認レターを発行し、20件のPINを承認している。
  • コベネフィット・アプローチに基づく取り組みの紹介
    川西正人氏 / JICA
    2008年10月よりJICAは新しい組織体制となり、円借款・無償資金協力・技術協力等の全ての援助スキームを一つの組織が実施する体制となり、スキームを超えて一体的な運用を目指し、それによるシナジー効果の発現が期待される。途上国の開発便益の実現を目的とするJICAの視点では、コベネフィット・アプローチに基づいた開発援助活動における気候変動便益の確保・拡大を図っていく。コベネフィットに係るJICAの具体的な活動として、タイ・バンコク市とのGHG削減目標に基づく気候変動アクションプランの立案支援およびアジアにおけるインベントリー作成支援を紹介。これらの活動を通じて、開発援助活動を通じたコベネフィット(気候変動分野の便益)の実現を更に促進することを期待している。
  • 環境省によるコベネフィット協力の取組みの紹介
    川又孝太郎氏 / 環境省 発表資料(PDF)
    発展途上国の多くは自国の開発促進に様々な課題を抱えているため、日本政府はコベネフィット・アプローチを活用した持続可能な開発(Sustainable Development)の実現を支援することが重要であると考えている。環境省は、コベネフィット型プロジェクトを具現化するために事業者を支援する枠組みを設けており、コベネフィットの評価基準に基づいて選定を行った結果、今年度はマレーシアおよびタイにおけるモデルプロジェクトを支援することを決定した。また、中国政府とインドネシア政府との間にコベネフィット・アプローチを促進する二国間協力の意向書を締結しており、同二国とベトナムにおいて具体的なコベネフィット型対策の形成・実施を目指した協力活動を展開中である。
※セッション2「CDM改革の提案」については "IGESウェブサイト" の報告を参照
※国連気候変動枠組条約(UNFCCC)ウェブサイトの関連ページ「Poznan Climate Change Conference」もあわせて参照


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