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国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第30回補助機関会合(SB30)サイドイベント
開発への気候変動の主流化
Mainstreaming climate change concerns into development

2009年6月15日

海外環境協力センター(OECC)は、環境省との共催で、2009年6月1日に国連気候変動枠組条約第30回補助機関会合のサイドイベントとして、「開発への気候変動の主流化(Mainstreaming climate change concerns into development)」を開催した。
今回のサイドイベントでは、開発援助への気候変動の主流化をテーマとして、日本の開発援助機関である国際協力機構(JICA)における気候変動の取組みを紹介するとともに、計測・報告・検証可能な(MRV)緩和行動を形成・実施していくうえでの温室効果ガス(GHG)排出目録(インベントリ)の有効性を踏まえ、日本が実施している途上国のGHGインベントリ支援の活動報告を行った。計測・報告・検証可能な(MRV)途上国の国毎の適切な緩和行動(NAMA)の形成・実施にむけ、これまでの経験や今後の課題が共有され、改めてコベネフィット・アプローチの重要性が認識された。


開催日時

2009年6月1日(月)午後1時~3時

場所

ドイツ環境省 Room Wind(ドイツ・ボン)

発表者

【座長】

  • 平石尹彦(財団法人地球環境戦略研究機関(IGES))

【発表者】

  • 須藤智徳(独立行政法人国際協力機構(JICA))
  • 野尻 幸宏(独立行政法人国立環境研究所)
  • Yulia Suryanti(インドネシア環境省)
  • 川又孝太郎(環境省)
  • 加藤 真(OECC)

プログラム

  • 座長のガイダンス
    (平石尹彦氏/財団法人地球環境戦略研究機関(IGES))
  • 途上国における計画策定-温室効果ガス(GHG)削減の観点からの評価
    (加藤 真氏/OECC)
  • 日本の技術協力および財政支援-国毎の適切な緩和行動(NAMA)のヒント
    (須藤智徳氏/独立行政法人国際協力機構(JICA))
  • 計測・報告・検証可能な(MRV)緩和行動におけるGHGインベントリ
    (野尻幸宏氏/独立行政法人国立環境研究所)
  • 途上国からの視点
    (Yulia Suryanti氏/インドネシア環境省)
  • おわりに
    (川又孝太郎氏/環境省)
  • 質疑応答

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議論のポイント

  • 座長のガイダンス
    財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)上級コンサルタント 平石尹彦氏 発表資料(PDF)
  • 途上国における計画策定-温室効果ガス(GHG)削減の観点からの評価
    社団法人海外環境協力センター(OECC)主席研究員 加藤 真氏 発表資料(PDF)
    NAMAは、現時点のLCA交渉文書においては、持続可能な開発政策・措置、低排出開発戦略・計画等々が考えうるNAMAの在り方として挙げられており、また「コベネフィット」は途上国のNAMAを推進・拡大するアプローチと位置付けられている。コベネフィット・アプローチは、開発を希求することは温室効果ガス(GHG)削減にも大いに寄与するという考え方であり、日本の環境省は、途上国の開発ニーズの一つとしての環境改善(汚染物質の削減)とGHGの削減とが同時に実現される対策・プロジェクトに焦点を当てている。気候変動対策と環境汚染対策の双方に資する取組みを促進するコベネフィット・アプローチについて、環境省は、①コベネフィットCDMモデル事業(補助事業)、②「コベネフィット定量評価マニュアル」および③二国間のコベネフィット協力等の取組み等を具体的な支援策として実施している。③の二国間協力の一環として、中国との協力事業で都市レベルの環境汚染物質削減計画の実施によるGHG削減効果の定量的評価の共同研究を実施している。具体的なコベネフィット型対策・プロジェクトの実現に向けて、コベネフィットの定量・定性評価のツールを開発・改善するとともに、コベネフィット型技術のマップ作成や技術開発・研究が必要であると認識している。途上国におけるNAMAを効率的に形成・実施していくために、何らかのプラットフォームの形成することが有効だろう。
  • 日本の技術協力および財政支援-国毎の適切な緩和行動(NAMA)のヒント
    独立行政法人国際協力機構(JICA)気候変動対策室室長代理 須藤智徳氏 発表資料(PDF)
    2008年10月、無償・技術協力・有償の3つのスキームを一体的に運用する新JICAとして生まれ変わった。新JICAは、気候変動にかかる取組方針を掲げ、資金メカニズム「クールアース・パートナーシップ」の枠組みの中で緩和策・適応策に積極的に取り組んでいる。低炭素社会の構築を目指し、従来の開発課題(貧困削減等)を克服するうえでは、気候変動の取組(緩和策と適応策の両方)が不可欠である。つまり、気候変動の便益は、開発のコベネフィットと捉え、援助機関が実施する様々レベルにおける開発援助活動(財政支援と技術協力)に気候変動への配慮を統合していくことが重要である。JICAが形成・実施している具体的な気候変動の取組として、インドネシアにおける地熱発電所マスタープランの策定、バングラデシュ・ダッカにおける環境プログラム無償および複数のCDMプロジェクトがある。JICAにとって、「開発」が第一のマンデートであるが、気候変動に係る政策・措置は、各国の開発政策と密接に関連しており、気候変動の緩和・適応もJICAの開発援助活動の主要なコベネフィットとなってきている。
  • 計測・報告・検証可能な(MRV)緩和行動におけるGHGインベントリ
    独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター 野尻幸宏氏 発表資料(PDF)
    GHGインベントリ(GHG Inventory)は、各国の政策・計画に基づいて作られており、緩和政策・措置の影響をモニタリングするうえで不可欠なものである。したがって、計測・報告・検証可能な(MRV)形式でのNAMAを実現するうえで、GHGインベントリの活用は有効である。日本は、GHGインベントリの策定のために、ワークショップの開催・セクターに特化した取組・地域に特化した取組等、アジアの途上国に対して支援を行ってきた。計測・報告・検証可能なNAMAを形成・実施していくために、途上国の既存のインベントリのメカニズムを改善する必要があると認識しており、これまで実施してきたアジアの途上国に対するキャパシティ・ビルディングにくわえ、GHGインベントリのメカニズムの改善にも取り組む予定である。
  • 途上国からの視点
    インドネシア環境省 Yulia Suryanti氏
  • おわりに
    環境省地球環境局地球温暖化対策課国際対策室 課長補佐 川又孝太郎氏 発表資料(PDF)
    開発計画・環境保護計画等の途上国における既存の計画は、緩和の要素を含んでおり、途上国における緩和の国別行動計画を迅速に策定するうえで既存の計画を活用することは有効である。開発と緩和の両方を視野に入れ、途上国における持続可能な開発を実現するためのNAMAを策定する必要があり、その開発と緩和の便益のいずれもが計測・報告・検証可能(MRV)でなければならない。MRVは、新規かつ複雑なアイディアかもしれないが、例えばGHGインベントリといった既存のメカニズムを活用することでNAMAの形成・実施のMRVを担保することが可能であろう。NAMAの形成・実施およびそのMRVの実現にむけて、日本は技術的および財政的支援を提供することが可能であり、例えばGHGインベントリに係るキャパシティ・ビルディングが挙げられる。NAMAの形成・実施にむけて迅速な行動が求められており、既存の計画を活用し、それに気候変動への配慮を盛り込んだ各国別の緩和にかかる行動計画を策定することが重要である。MRVはGHGインベントリのメカニズムを改善することで実施可能であり、その改善に向けた途上国への支援を推進していく。
UNFCCCウェブサイト もあわせてご参照ください。


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