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国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第15回締約国会合(COP15)
および京都議定書第5回締約国会合(CMP5)サイドイベント
気候変動と途上国における持続可能な開発のコベネフィット
Co-benefits of Climate Change
and Sustainable Development in Developing Countries

2009年12月10日

海外環境協力センター(OECC)は、環境省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、財団法人日本エネルギー経済研究所(IEEJ)および財団法人地球環境センター(GEC)との共催で、2009年12月9日に国連気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)および京都議定書締約国会議(CMP5)のサイドイベントとして、「気候変動と途上国における持続可能な開発のコベネフィット(Co-benefits of Climate Change and Sustainable Development in Developing Countries)」を開催した。本サイドイベントには、合計で300名程度が参加し、活発な議論が行われた。

セッション1では、気候変動対策と環境汚染対策の双方に資する取組みを促進するコベネフィット・アプローチについて、環境省の活動報告等が行われた。環境省の支援の下で実施しているコベネフィットの具現化を目指した活動について、コベネフィットCDMモデル事業(補助事業)、「コベネフィット定量評価マニュアル」および二国間のコベネフィット協力等の取組みを紹介した。二国間のコベネフィット協力の一つである日中コベネフィット協力の中で進行している共同研究の成果として、中国の都市レベルの環境汚染対策による温室効果ガス(GHG)削減効果の定量的評価について発表した。実際のコベネフィット・アプローチに基づく活動の経験およびコベネフィットの定量評価の重要性について共有された。また、途上国における気候変動の緩和対策の推進におけるコベネフィット・アプローチの有効性を改めて確認するとともに、国際交渉の主たる議題となっている「途上国の国毎の適切な緩和行動(Nationally Appropriate Mitigation Action: NAMA)」の具体的な策定においてコベネフィットの定量的評価が重要な役割を果たすという認識も共有された。

セッション2では、後発開発途上国(Least Developed Countries: LDC)におけるクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism: CDM)のあり方について、後発開発途上国自身によるCDM改革の具体的提案を目指した議論を行った。JICAから、後発開発途上国でCDMを推進するには、政府開発援助(ODA)を含む公的援助資金のより広範囲な利用、追加性証明の免除、現行の複雑なルール(例えば複雑な温室効果ガス(GHG)削減量算定)に代わる簡易なルールの適用といった制度改善が必要であると説明した。また、具体的なCDM事例を通じたキャパシティ・ディベロップメントが有効であると後発開発途上国側から明確に言及され、今後の具体的なCDM改善提案を目指して日本側から技術的なインプットを行われた。


開催日時

平成21年12月9日(水)18:15~19:45

開催場所

ベラセンター(Bella Center) Niels Bohr(デンマーク・コペンハーゲン)

主催

  • 環境省
  • 独立行政法人国際協力機構(JICA)
  • 財団法人日本エネルギー経済研究所(IEEJ)
  • 財団法人地球環境センター(GEC)
  • 社団法人海外環境協力センター(OECC)

プログラム

開会の挨拶(西尾哲茂氏/環境省特別参与)

セッション1:気候変動緩和対策のコベネフィットの実現
       座長:平石尹彦氏(IGES上級コンサルタント)

  • 座長のガイダンス
    (平石尹彦氏/IGES)
  • 日本のコベネフィット・アプローチ促進のための取組み
    (是澤裕二氏/環境省水・大気環境局国際協力推進室長)
  • 日中共同研究の事例:中国の都市レベルの環境汚染対策による温室効果ガス(GHG)削減効果の定量的評価
    (加藤真/OECC主席研究員)
  • コベネフィットCDM事業の推進:フィージビリティスタディの経験から
    (水谷好洋氏/GEC事業部長)

セッション2:後発開発途上国におけるCDM促進
       座長:江島真也氏(JICA気候変動対策室長)

  • 後発開発途上国におけるクリーン開発のためのイニシアティブ
    (江島真也氏/JICA)
  • 「LDCにおけるCDM促進に関するラウンドテーブル」の議長総括
    (Philip Gwage氏/ウガンダ国土環境省)
  • 後発開発途上国におけるCDM促進のためのCDM改革提案
    (田上貴彦氏/IEEJ主任研究員)

閉会の挨拶(木山繁氏/JICA上級審議役)


会議画像

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議論のポイント

  • 座長のガイダンス
    平石尹彦氏 / IGES上級コンサルタント 発表資料(PDF)
  • 日本のコベネフィット・アプローチ促進のための取組み
    是澤裕二氏 / 環境省水・大気環境局国際協力推進室長 発表資料(PDF)
    環境汚染対策分野におけるコベネフィット型温暖化対策・CDMとは、途上国の開発ニーズの一つとしての環境改善(汚染物質の削減)と温室効果ガス(GHG)の削減とが同時に実現される対策・プロジェクトを指す。気候変動対策と環境汚染対策の双方に資する取組みを促進するコベネフィット・アプローチについて、環境省は、①コベネフィットCDMモデル事業(補助事業)、②「コベネフィット定量評価マニュアル」および③二国間のコベネフィット協力等の取組み等を具体的な支援策として実施している。①のコベネフィットCDMモデル事業は2008年から開始した補助事業であり、2008年度 はコベネフィットの評価基準に基づいて選定を行った結果、マレーシアおよびタイに おけるモデルプロジェクトを支援することを決定した。③の二国間のコベネフィット協力について、中国環境保護部との間で2007年12月、コベネフィット・アプローチを促進する二国間協力の意向書を締結しており、日中間の協議の結果、四川省攀枝花市をモデル都市として選定した。攀枝花市を対象として、都市レベルの環境汚染対策のコベネフィット評価、キャパシティ・ビルディングおよび鉄鋼分野におけるコベネフィット型プロジェクトの形成・実施といったコベネフィット協力事業を実施中である。
  • 日中共同研究の事例:中国の都市レベルの環境汚染対策による温室効果ガス(GHG)削減効果の定量的評価
    加藤真 / OECC主席研究員 発表資料(PDF)
    2007年12月の日本環境省と中国環境保護部の間の意向書に基づいて実施中の日中コベネフィット協力では、四川省攀枝花市をモデル都市として共同研究、キャパシティ・ビルディング等を実施している。共同研究では、中国の都市レベルの環境汚染対策による温室効果ガス(GHG)削減効果の定量的評価について、日中双方の専門家が協力して、同市の環境汚染物質削減計画の実施による気候変動の緩和効果の算定を行っている。同市の環境汚染物質削減計画は、2006年から5年間を対象としており、大気汚染の改善としてSO2を33,741トン/年削減することを目標として設定している。この目標を達成するための具体的な措置は3種類(構造調整・プロジェクト・管理)あり、現在のところ年間55,800トン/年のSO2削減を達成している。この55,800トン/年のSO2削減のための措置を実施することでGHGをどの程度削減することが可能かという定量的評価を行った結果、2,104,000トン/年の削減効果が得られることが分かった。算定は、中国環境保護部が定めるSO2排出削減量の算定式をベースに、GHG排出削減量の算定式を日中双方で協議のうえ確認し、それらの式にSO2排出削減量の算定に用いた数値等を用いて算定を実施した。この算定結果によって、中国が既に実施している環境汚染物質削減のための取組みが、環境汚染対策だけではなく、気候変動の緩和にも効果があることが証明され、これは中国が将来の環境汚染物質削減計画や開発計画を策定するうえで重要な参考資料となる。今回の算定は、SO2削減(大気分野)のための構造調整とプロジェクトに分類される措置のみが対象であったが、今後は他の措置や分野も拡大し定量的評価を行うとともに、他の都市や国家レベルの計画のコベネフィット評価を視野に入れ、日中の共同研究を継続していく。
  • コベネフィットCDM事業の推進:フィージビリティスタディの経験から
    水谷好洋氏 / GEC事業部長 発表資料(PDF)
    GECが実施しているCDM/JI事業調査を通じたコベネフィット効果の定量化の取り組みとして、昨年度の実現可能性調査案件での環境改善効果の定量評価の調査結果について、大気・水質・廃棄物の各分野の具体的な事例を挙げる。たとえば、大気質管理については、中国のコークス炉ガスを活用した発電プロジェクトにおいて、フレア処理する場合に比べてSO2排出量97トン/年の削減、石炭火力発電所からのグリッド電力を代替する場合SO2排出量1,062トン/年の削減に達する。コベネフィットの定量的評価の課題としては、ベースライン設定の難しさや臭気・騒音等の定量化評価手法の策定の難しさ等がある。今後はコベネフィット統合指標の更なる検討を行いより具体的な提案を行っていく。2009年度のCDM/JI事業調査においては、2009年6月環境省が公表した「コベネフィット定量評価マニュアル(第1版)」に基づいて、コベネフィットの定量評価を実施中であり、実際にマニュアルを活用したうえで今後のマニュアルの改善に反映させていく。
※セッション2「後発開発途上国におけるCDM促進」については "JICAウェブサイト" の報告を参照
※セッション2を含む当該イベントの全てのプレゼンテーション資料は "UNFCCCウェブサイト" に掲載
※サイドイベントのウェブキャストは "UNFCCCウェブサイト" から閲覧可能


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