2.大気質改善分野におけるコベネフィット型温暖化対策・CDM


ここでは、大気質改善・大気汚染防止と温暖化対策が統合的に実施している優良事例(グッドプラクティス*)を概観するため、対策・スキーム別により分類した。下記の一覧を基に、今後重点的な取組を行っていくべき対策分野を抽出することを目的としている。このマトリックスに示した個々の対策例については、「プロジェクト発掘のためのカタログ」・「コベネフィット算定のための評価ツール」と合わせて参照し、案件の発掘・設計に活用することが期待される。 グッドプラクティスとは、大気質の問題を直接的に改善するプロジェクト等(政策やマスタープランの実施等のプログラム的なものも含める)であり、プロジェクト実施以前に汚染されている地域および今後汚染されると予測される地域を対象とするものである。「大気汚染・水質汚濁・廃棄物問題等の改善とGHG削減の双方に一定以上の効果が見られるもので、取組の実施が安定的で、現地の状況・ニーズと合致していること」を選定基準としている。

  GHG削減が主目的 ハイブリッド GHG削減以外が主目的
クリーン開発メカニズム(CDM) CDMと以外の対策のハイブリッド型型取組* 従来のODA、途上国独自の開発プロジェクト政策措置等
CDM プログラムCDM CDMとその他の資金の組み合わせ ODA その他
民間等 民間・政府・自治体 民間・開発援助機関・政府・自治体 開発援助機関
・政府
政府・自治体
・民間等
移動発生源 自家用車

商用車
政府
・自治体
  • 低GHG排出車普及
  • 燃料転換
  • 燃費改善
  • 低GHG排出車普及
  • 都市交通整備による渋滞改善
  • 車検制度
  • 自動車モニタリングシステム導入
  • 低GHG排出車用インフラの整備
  • 車検制度
  • エコドライブの推進
  • ITSの導入
公共交通機関 政府
・自治体
  • 燃料転換
  • 燃費改善
  • 低GHG排出車普及
  • バス高速輸送システム(BRT)導入
  • 公共交通整備
  • 都市間高速鉄道の整備
  • モーダルシフト
  • 車検制度
  • 自動車モニタリングシステム導入
  • 低GHG排出車用インフラの整備
  • 車検制度
  • エコドライブの推進
  • ITSの導入
固定発生源 民生系 家庭 政府
・自治体
  • 地域暖房の高効率化と燃料転換
  • 改良型かまどの導入
  • ソーラークッカーの導入
  • 地域暖房の高効率化と燃料転換
  • 改良型かまどの導入
  • ソーラークッカーの導入
  • マスタープランの策定等
  • 燃料転換
  • 改良型かまどの導入
  • ソーラークッカーの導入
  • バイオブリケットの利用 ・改良型かまどの導入
  • ソーラークッカーの導入
産業系 総合対策 政府
・自治体
  • ごみ焼却炉の排熱回収
  • 効率改善・大気汚染対策
  • 燃料転換・大気汚染対策
  • 省エネ型脱硫装置への変更
  • マスタープランの策定及び実施(貴陽大連重慶環境モデル都市事業など)
  • 省エネ型脱硫装置への変更
ボイラー一般 民間
  • 燃料転換
電力業 民間
  • 風力・水力発電所の建設
  • 地熱発電所の建設
鉄鋼業 民間
セメント製造業 民間
石油精製業
石油製品製造業
民間
製紙業 民間
  • 排熱回収
  • 燃料転換
  • ボイラー代替・効率改善
  • プロセス変更
その他 その他

森林
政府
・自治体
・民間
  • 電力需要者側における省エネ
  • 再生可能エネルギー利用による化石由来燃料による発電シェアの拡大
  • 排煙脱硫装置を省エネ型に変更
  • 高効率照明の普及
  • 省エネ製品の普及
  • 植林CDM
  • 省エネ施策の策定・実施等
  • ・森林管理
  • 高効率照明の普及
  • 高効率照明の普及

※CDMプロジェクトを実施する場合は、国連CDM理事会が方法論を承認していることが必要である。
※CDMは基本的にプロジェクトベースの取組であるが、ODAやその他の取組と一緒に実施される、総体としての効果を発揮することも期待されている。
※PoA(Programme of Activities)とは、CDMホスト国の政策・手段又は明確な目標を調整・実施する民間又は公的機関による活動であり、その中で個別の排出削減活動を実施するもの。
※グッドプラクティスにはプロジェクトベースのものに加え、プログラムや基本政策策定に基づく排出削減活動も含む。