3.廃棄物管理分野におけるコベネフィット型温暖化対策・CDM


ここでは、廃棄物問題改善と温暖化対策を統合的に実施している優良事例(グッドプラクティス*)を概観するため、対策・スキーム別により分類した。下記の一覧をもとに、今後重点的な取組を行っていくべき対策分野を抽出することを目的としている。 このマトリックスに示した個々の対策例については、「プロジェクト発掘のためのカタログ」・「コベネフィット算定のための評価ツール」と合わせて参照し、案件の発掘・設計に活用することが期待される。グッドプラクティスとは、廃棄物の問題を直接的に改善するプロジェクト等(政策やマスタープランの実施等のプログラム的なものも含める)であり、プロジェクト実施以前に汚染されている地域および今後汚染されると予測される地域を対象とするものである。「大気汚染・水質汚濁・廃棄物問題等の改善とGHG削減の双方に一定以上の効果が見られるもので、取組の実施が安定的で、現地の状況・ニーズと合致していること」を選定基準としている。

  GHG削減が主目的 ハイブリッド GHG削減以外が主目的
クリーン開発メカニズム(CDM) CDMと以外の対策のハイブリッド型 従来のODA、途上国独自の開発プロジェクト政策措置等
CDM プログラムCDM CDMとその他の資金の組み合わせ ODA その他
民間等 民間・政府・自治体 民間・開発援助機関・政府・自治体 開発援助機関
・政府
政府・自治体
・民間等
発生

貯留

排出

分別/資源回収
ごみ減量化
資源の有効利用
有害廃棄物による汚染の危険回避
政府

自治体

民間
  • 有機物系の都市ごみや食品製造残渣のコンポスト化
  • 廃棄物管理総合対策
  • リサイクルシステム構築支援(資源の有効利用モデル構築支援/循環型工業団地支援)
  • 有機物系の都市ごみや食品製造残渣のコンポスト化
  • マスタープラン策定等
収集

運搬
投棄

野積の防止
運搬の効率化
自治体

民間
  • 低GHG排出収集車の普及
  • 廃棄物管理総合対策
  • 低GHG排出収集車の普及/低GHG排出車用インフラの整備
  • 廃棄物収集システムの改善
  • 低排出型収集車の提供
  • キャパシティビルディングおよび普及啓発
  • リサイクルシステム構築支援(資源の有効利用モデル構築支援/循環型工業団地支援)
  • 廃棄物収集システムの改善
  • 低排出型収集車の提供
中間処理 適正処理 有害廃棄物 無害化 自治体

民間
  • マスタープラン策定等
  • 廃棄物管理総合対策
資源化 メタン排出回避及び回収利用 農業残渣

有機汚泥など
衛生改善
悪臭防止
水質汚濁防止
化石燃料使用の抑制
大気汚染防止
エネルギー利用 有機系廃棄物など 廃棄物の減量
衛生改善
水質汚濁防止
化石燃料使用の抑制
  • リサイクルシステムの構築
  • 廃棄物管理総合対策
  • エタノール発酵/バイオエタノール
  • ガス化
燃料化 無機汚泥

都市ごみなど
焼却量削減による大気保全
廃棄物の減量
衛生改善・悪臭防止
  • リサイクルシステムの構築
  • 廃棄物管理総合対策
  • RDF化+RDF燃料普及
  • 炭化
  • キルン化によるセメント原燃料利用
燃焼等 悪臭等の防止
衛生改善
エネルギー回収
土壌・大気汚染の防止(分別回収の必要性)
  • 排熱利用
  • 発電利用
  • 排熱利用
  • 発電利用
  • 給湯利用
  • 排熱利用
  • 発電利用
  • 給湯利用
  • ごみ焼却処理施設の整備
最終処分 準好気性埋立 埋立地の早期安定
水質汚濁防止
衛生改善
自治体

民間
  • 準好気性システムへの転換によるメタンガス排出抑制
  • 準好気性システムへの転換
  • 廃棄物管理に係る人材育成
  • 処分場整備
  • 準好気性システムへの転換
  • 浸出水の排水処理整備
  • 廃棄物管理に係る人材育成
  • 処分場整備
  • 浸出水の排水処理整備
嫌気性埋立 エネルギー回収
水質汚濁防止
衛生改善
火災・ガス爆発防止

※CDMプロジェクトを実施する場合は、国連CDM理事会が方法論を承認していることが必要である。
※CDMは基本的にプロジェクトベースの取組であるが、ODAやその他の取組と一緒に実施される、総体としての効果を発揮することも期待されている。
※PoA(Programme of Activities)とは、CDMホスト国の政策・手段又は明確な目標を調整・実施する民間又は公的機関による活動であり、その中で個別の排出削減活動を実施するもの。
※グッドプラクティスにはプロジェクトベースのものに加え、プログラムや基本政策策定に基づく排出削減活動も含む。