1.水質改善分野におけるコベネフィット型温暖化対策・CDM


ここでは、水質改善・汚濁防止と温暖化対策を統合的に実施されている優良事例(グッドプラクティス*)を概観するため、対策・スキーム別により分類した。下記の一覧を基に、今後重点的な取組を行っていくべき対策分野を抽出することを目的としている。このマトリックスに示した個々の対策例については、「プロジェクト発掘のためのカタログ」・「コベネフィット算定のための評価ツール」と合わせて参照し、案件の発掘・設計に活用することが期待される。グッドプラクティスとは、水質汚濁の問題を直接的に改善するプロジェクト等(政策やマスタープランの実施等のプログラム的なものも含める)であり、プロジェクト実施以前に汚染されている地域および今後汚染されると予測される地域を対象とするものである。「大気汚染・水質汚濁・廃棄物問題等の改善とGHG削減の双方に一定以上の効果が見られるもので、取組の実施が安定的で、現地の状況・ニーズと合致していること」を選定基準としている。

  GHG削減が主目的 ハイブリッド GHG削減以外が主目的
クリーン開発メカニズム(CDM) CDMと以外の対策のハイブリッド型型取組* 従来のODA、途上国独自の開発プロジェクト政策措置等
CDM プログラムCDM CDMとその他の資金の組み合わせ ODA その他
民間等 民間・政府・自治体 民間・開発援助機関・政府・自治体 開発援助機関
・政府
政府・自治体
・民間等
面源 河川

用水路

湖沼
政府

自治体
  • マスタープランの策定等
  • 課徴金の徴収による汚水削減
  • ヘドロの浚渫に伴うメタン抑制
  • 川底等からのヘドロ浚渫(メタン抑制)
  • 川底から浚渫したヘドロからのメタン回収及び利用
  • 川底等からのヘドロ浚渫(メタン抑制)
  • 川底から浚渫したヘドロからのメタン回収及び利用
点 源 生活系 下水処理 政府

自治体
  • PoAを活用したバイオダイジェスター等
  • 処理施設の省エネ
  • 好気性生物処理
  • 減容化・資源化
下水処理総合対策 政府

自治体
  • PoAを活用したバイオダイジェスター等
  • PoAを活用した集水域汚染対策の導入
  • マスタープランの策定等
  • COD総量規制
  • 課徴金の設定等による経済的手法導入による汚水削減
  • マスタープランの策定・実施支援
  • COD総量規制
  • 課徴金の設定等による経済的手法導入による汚水削減
  • マスタープランの策定・実施
工場系 産業排水処理全般 政府

自治体

民間
  • PoAを活用した工場排水処理対策の導入
  • 好気性生物処理
  • マスタープランの策定等
  • 好気性生物処理
  • 水質汚濁法等の法規・措置等の整備支援
  • BOD/COD等総量規制導入・実施支援
  • 課徴金の設定等による経済的手法導入による汚水削減
  • マスタープランの策定等
製紙業 民間
  • パルプ残さからのメタン回収
食品業 民間
繊維工業
コークス製造業
ゴム製品
なめし革製造業
民間
石油化学業 民間
  • PoAを活用した工場排水対策の導入
  • PoAを活用した省エネ技術の導入
畜産系 畜舎からの排水 民間

※CDMプロジェクトを実施する場合は、国連CDM理事会が方法論を承認していることが必要である。
※CDMは基本的にプロジェクトベースの取組であるが、ODAやその他の取組と一緒に実施される、総体としての効果を発揮することも期待されている。
※PoA(Programme of Activities)とは、CDMホスト国の政策・手段又は明確な目標を調整・実施する民間又は公的機関による活動であり、その中で個別の排出削減活動を実施するもの。
※グッドプラクティスにはプロジェクトベースのものに加え、プログラムや基本政策策定に基づく排出削減活動も含む。