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三井物産は、2002年11月に排出権の仲介会社CO2e.comに出資して以来、CO2e.com社の代理として日本における排出権のマーケティング活動を展開しており、私はその活動開始当初からこの仕事に従事しております。
当時は、京都議定書も発効の目途が全く立たず、また方法論はまだ1つもなく、全てが不透明な状況でした。その様な中で、ご紹介した案件で新方法論を取得したり、京都議定書の発効リスクを売手・買手間でどのように負担するかを双方が納得いく解決法を種々検討したりしました。その後、CDM理事会の活動と共に排出権案件の事例が少しずつ増え、京都議定書が発効してからは、国内企業の排出権に関するご関心も徐々に増えてきました。中には、投機目的に個人で排出権を購入したいというお問い合わせもありました。
最近では、新聞でもよく「排出権」の文字を目にするようになりましたが、やはり排出権取引や排出権は日本ではまだ馴染みの薄い新しい制度・商品です。徐々に事例が増え、既に460万トン以上の排出権が発行されたと言えでも、国際ルールはまだ開発途上にあり、多くの未定・不明確な要素があります。
その一方で、契約のほとんどは2012年までの長期契約となり、加えて、取引相手も初めて聞く発展途上国の会社であるケースが多い為、案件をお客様にご紹介しても、購入契約ご締結まで踏み込めない場合が多々あります。また、国際ルールの変更・決定の遅延やホスト国の状況の変化などの要因により、排出権案件の予想数量やスケジュールに影響が出ることもしばしばで、なかなか予定通りには進みません。
この様な状況を幾度か経験し、最近では三井物産から転売することにより、排出権売買契約終了の2012年までをフォローアップするなど、本業の商社の機能を活用してお客様のニーズに合わせた対応をしております。また、常に国連の動向や排出権取引で先んじている欧州のマーケットの動向など、排出権取引を取巻く状況のアップデートに努め、お客様と情報を共有し、時にはお客様からフィードバックを頂きながら、刻々と進化する京都メカニズムと排出権取引に関する情報入手に努めております。
さて最後に、この仕事で喜びを感じるのは、お客様に案件を気に入って頂き、無事成約に至った時ですが、やはり一番嬉しかったのは、ロシアが京都議定書を批准し、京都議定書の発効が確実になった時です。
それは、排出権取引において京都議定書発効リスクが無くなったことだけではなく、一地球人として、地球の温暖化防止に向けて少しでも早く対策を踏み出せることが確実となったからです。今後も、微力ながら、京都メカニズムの普及を通して、多くの動植物が共存できる美しい地球の維持に努めていきたいと思います。
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