京都メカニズム情報プラットフォーム
エネルギー系会社・メーカー・建設会社他の現場から

京メカビジネスの現場から

鹿島建設環境本部
CDM・JIグループ課長 三浦一彦

  1. 現場の臭い

    2005年8月。それまで出向していた災害リスクの調査会社から一転して、環境本部にCDM/JIグループというのを作るからやってみろとのお言葉を受け、京メカビジネスの末席を汚す立場となりました。しかし、最初に取り組んだインドネシア・バンドンの廃棄物処分場で、臭いのすごさにものすごくくじけそうになりました。ホテルに戻ってシャワーを浴びても、頭の中から臭いの記憶が離れません。それ以来、成田空港を発つ前に香水のサンプルをもらうようになりました。

  2. 日本とは違う技術開発の方向

    私が主にやっていることは、社内にエキスパートがいる技術をベースにした新規案件の発掘で、フィールドは東南アジアです。ただし、国内の技術をそのまま持っていくのでは、高級すぎてペイしませんから、日本とは違う技術を導入したり、日本の技術をもっとシンプルで安価にするための技術開発が必要です。CDMはもともと通常のビジネスではなりたたないようなものがクレジットのお陰でなんとか採算に乗ってくるものが多いわけですから、コストダウンの工夫が国内以上に問われます。

  3. コベネなグッドプラクティスを

    今、主に力を注いでいる分野は、ごみ処理、廃液処理、それに省エネです。中でもごみ問題は東南アジアの多くの国が抱える深刻な問題で、いわゆるオープンダンピングと呼ばれる、ごみを投げ捨てるだけの処分場は、臭いや火災のコンポストを作るためにごみを粉砕している様子問題だけでなくひどい場合はごみ山が崩壊し死者を出すこともあります。それに対し、ごみを分別し減量化させるためのプロジェクトを推進しています。フィリピンのある島では、ごみを川に捨てる人が多く、洪水の原因にもなっているとの相談を受けました。市長にはごみを適切に処理すれば処分場に捨てるごみをごくわずかにできるだけでなく、炭素クレジットも得られそれによりごみの回収率も上げられるとのお話をしました。
    本当に地元のためになりしかも温暖化ガスも削減できるようないわゆるコベネなプロジェクトは小さいものばかりです。この分野でみなさんがこうやればよいのかと気づいてくれるようなグッドプラクティスを一つでも作れればと思っています。

  4. オールジャパンで

    私が案件発掘する方法は、まず自分たちがやりたいプロジェクトのコンセプトをはっきりさせ各国の中央政府関係者にそれを説明すること。彼らとの議論の結果を踏まえて、構想をブラッシュアップさせ今度は事業の対象となる地方や企業にプレゼンします。話が前に進めば、日本政府の助成金などを利用して調査を行います。ここで何よりも大切なのはネットワークです。どこに行って誰に会ったらよいのか、国内・現地でアドバイスしてくれる人との出会いが成功への第一歩です。京メカビジネスといいますが、どの会社でも従事しているのはほんの数名といったところで、情報や同じ悩みを持った人は社外にいます。星野ジャパンの北京オリンピックアジア予選では、チームの結束の固さに感動しましたが、京メカも企業や官民の枠を越えてオールジャパンで行きたいものです。

2008年2月4日