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温暖化問題のコンサルタントには、むかしから温暖化問題に携わっていた人と、異業種から入ってきた新しい人の二種類に分かれるでしょう。わたしは前者で、気候変動枠組条約ができる前から(1990年頃から)、シンクタンク(日本エネルギー経済研究所、地球環境戦略研究機関、地球産業文化研究所)で温暖化問題の研究を行ってきました(その意味で最古参の一人でしょうか)。わたしの専門分野は、エネルギー、国際交渉、政策措置、排出権市場からベースラインまで温暖化関連分野を幅広くカバーしていました。
しかし、ボン合意、そして京都議定書のルールブックたるマラケシュ・アコードが採択された時点で、「研究」ではなく、「実際の行動」を起こすステージになったと強く認識し、日本の企業が実際に温暖化問題を戦略的に自己のビジネスに結びつけていくサポートをしようと思いたちました。日本企業は世界最高水準の技術を持ち、本来規制が厳しくなればなるほど比較優位となれるはずですから。それが世界の温暖化問題対応に必要だと思ったからです。また、排出権市場のように、「社会システムに温暖化対策を組み込む」ことの必要性も痛感しており、それをmobilizeしようと努力しています(京都議定書の意義は、数値目標よりもこちらにあると信じています)。
2002年9月からコンサルタントを一人ではじめ、いまでは数人の人たちのサポートを受けながら、数多くの仕事をこなしています。
主たる業務は、主として日本企業や公的機関相手に、以下のような仕事を行ってきています。
- CDMやJIの方法論開発、PDD作成、他人の作成したPDD等のチェック、方法論ガイドブック作成
- 企業温暖化ビジネス戦略コンサルティング
- 各種講演や人材育成コース講師
- 温暖化将来シナリオ分析マルチクライアント・スタディー
その他、UNFCCCのCDM方法論デスクレビューアー、国別通報の詳細審査等の国際機関の仕事や、その他の海外の政府や企業の仕事もこなしています。意外と日本政府系の仕事は少ないですね(こちらから特に申請しないからですが)。
わたしは研究者であったということで、「むつかしい」ものが結構好きです。CDM方法論などはその最たるもので、黎明期(?)のHFC23をはじめとし、炭鉱メタン、工場省エネ、バイオ運輸燃料などに加え、最近では新領域のプログラムタイプを二本作成しました。
悩みは、ひたすら時間が足りないこととですね。内容的にも好きな分野の仕事であるし、必要とされるわけですのでやりがいもあるのですが、(やはり温暖化関係ですが)ほかのやりたいこと(研究面)が山積しています。わたしの役割や必要性が終わる・・・・とまで言わなくても一段落ついたら・・・と思っていますが、まだしばらくはそのような状況にはならないようです。パイオニアや語り部がいつまでものさばっているのはどうか・・・とも思うのですけどね。
最近は、学生や院生の人にも手伝ってもらっています。若い優秀な人材が、新しく動いてきた温暖化問題の世界で、将来活躍していける素地と機会を提供できたら・・・と思っています。一方で、各種の専門性を確立している人に手伝っていただくことも多いですね。どなたも、温暖化問題大きな興味を持っている人たちばかりです。
そのような人たちに(加えてわたしのまわりにいる人たちすべてに)、わたしの持っている専門性を共有してもらうことができたら・・・と願っています(そうすればこの仕事は引退できますね(笑))。今後ますます発展していく分野ですので、新たな専門性をもった後続の方々を期待しています。
この世界は、制度自体がlearning-by-doingで動いています。苦労談としては、(いつも時間が足りないことを除けば)、たとえば
CDM理事会等が理不尽あるいは論理的でない判断を行ったりすることに対応しなければならないこと、欧州から周回遅れで将来が不透明な日本の温暖化政策の下で企業の方々を説得していかなければならない点でしょうか。「論理的にはむしろこうあるべきだ」と制度側を非難したりしますので、コンサルタントにはあまり向いていないのかもしれません。
それでも、わたしのクライアントの企業の方々の多くは、世の中の動きを感じ取り、何らかの「動き」の必要性を感じて、実際に動いておられる方々です。そのような人たちの羅針盤となっていけたら・・・と強く願っています。
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