京都メカニズム情報プラットフォーム
コンサルタントの現場から
みずほ情報総研(株) 環境・資源エネルギー部
マネジャー  齊藤 聡 
日本企業を取り巻く状況

2008年に入り、京都議定書の第一約束期間が開始しました。あわせて、日本政府でも、京都議定書目標達成計画を改訂しており、産業界の温暖化対策もその中に位置づけられています。
特に、産業界の対策の中心である環境自主行動計画における要請が、個々の民間企業にとって、大きな制約要因であるという構図が見られています。すなわち、業界団体毎に温暖化対策目標を定め、各業界内では個々の企業が目標達成に向けた行動を取り、産業界全体ではそれらの積み上げによって京都目標に貢献するという方法です。
これは、欧州において2005年から行われているEU-ETSとは違って、企業毎、事業所毎に義務的な排出抑制目標(キャップ)を課したものではないため、個々の企業にとっては、「いつ」、「どのような水準まで」、「どのように」、温暖化対策を進めるべきか、判断に苦しむポイントでもあります。一方、近い将来において、日本国内でもキャップ&トレード導入がなされる機運が盛り上がってきました。このことは、短期的にも中長期的にも、個々の企業それぞれが自らの判断で温暖化対策を行うことを求めているように読むことができます。すなわち、今後の炭素制約をリスクと捉え、対策の内容を自主的に検討することが、多かれ少なかれ求められているわけです。もちろん、誰にとっても、リスクの裏返しをチャンスとして捉えることができます。

情報の持つ価値

日本国内の政策はもとより、国際的な政策も、自らの対策における判断時に重要な情報となります。京都議定書に関する各種ルールも、2013年以降のポスト京都議定書に関する国際交渉も、また米国など他国の政策も、直接的・間接的な判断材料とみなされます。しかし、これらは極めて複雑かつ曖昧なものであり、多くは明快な把握がなされる前に利用されます。また、現在では排出権が未成熟の市場で取引されているため、その動向についても不明確さが付いてまわります。
当社では、「GHGソリューションズ」という各種情報提供サービスを運営しています。また、定型の情報だけでは不十分な局面にあっては、個別にコンサルティングを実施し、民間企業のサポートを行っています。その中では、さまざまな政策、顕著なビジネス、排出権市場など、常に最新動向を抑えていく必要がある点が、もっとも大変なところです。なぜなら、来るべき制約のレベルをどう考えるかによって対策水準は異なるべきですし、CDM/JIプロジェクトの設計や排出権購入契約の締結においては、最新の必要条件や考えうるリスクを組み込むべきだからです。

企業活動のサポート

ただ、基本的な最新情報は正確に把握する必要がありますが、それを反映させるアクションに正解はありません。従って、民間企業が制度的要請・社会的要請に応じて選択していく活動を、ケース・バイ・ケースでサポートすることが、当社の役割だと考えています。

2008年3月31日